雨戸の戸袋とは?戸袋のメリット・デメリット・おすすめする人
雨戸の戸袋(とぶくろ)とは、どんなものでしょうか?
一般的に戸袋というと、和風住宅の縁側(えんがわ)によく使われているイメージがあります。
ちなみに海外の住宅には、戸袋のようなものがありません。
そのため和風テイストを住宅に演出する時には、戸袋は格好のアイテムです。
では、雨戸の戸袋とは一体どんなものなのでしょうか。
今回は、雨戸の戸袋とは何か・雨戸に戸袋を設置するメリットとは・雨戸に戸袋を設置するデメリットとは・雨戸の戸袋の設置をおすすめする人の4点についてわかりやすくご紹介します。
雨戸の戸袋とは何か?
雨戸の戸袋とは、住宅の開口部の端に設置された、雨戸を収納するための収納箱のことです。
雨戸の戸袋の歴史
雨戸が、建具として認められるようになったのは安土桃山時代頃からです。
その後、雨戸が一般住宅に広く使われるようになったのは江戸時代頃からです。
当時の雨戸は、出入り口(現在の玄関)に使われていました。
雨戸を毎朝取り外し、昼間は家の前に立てかけ、夜になると取り付けていました。
その後、雨戸の取り付け取り外しをラクにするために、戸袋らしきものが造られるようになりました。
江戸時代の戸袋の素材は「木材」「銅板」「漆喰(しっくい)」などのいずれかで造られていました。
素材の使用先は、木材は一般の長屋住宅、銅板は商家や寺院、漆喰は粋が売りの江戸っ子たちの住宅などにそれぞれ使われています。
また素材とデザインの関係は、木材は板目、銅板は菱紋(ひし形の文様)・亀甲紋(亀の甲羅の文様)・桧垣紋(長方形文様)、漆喰は鏝絵(こてえ)が施されていました。
鏝絵とは、漆喰を使ったレリーフ(浮き彫り)のことです。
題材は武者絵・龍虎・仏像などです。
その後、1950年代後半からスチール製・1960年代中盤からアルミ製に変っていき現在に至ります。
〇雨戸の戸袋の進化の流れ
木製戸袋 ⇒ 銅板製戸袋 ⇒ 漆喰製戸袋 ⇒ スチール製戸袋 ⇒ アルミ製戸袋 |
戸袋の種類
戸袋には「妻板戸袋」と「柱建戸袋」の2種類があります。
それぞれご紹介します。
1.妻板戸袋
妻板戸袋とは、支柱なし、板だけで戸袋全体を支える戸袋のことです。
雨戸の収納枚数が少ない時に採用されます。
2.柱建戸袋
柱建戸袋とは、支柱を建てて、柱で戸袋全体を支える戸袋のことです。
雨戸の収納枚数が多い時に採用されます。
戸袋の仕組み
戸袋の仕組みは雨戸を使う時は、雨戸を戸袋から出し、レールの上をスライドさせて雨戸を開口部全面に並べます。
雨戸を使わない時は、雨戸をレールの上をスライドさせて、戸袋の中に雨戸を収納します。
戸袋の特徴
こちらでは雨戸の戸袋の特徴についてご紹介します。
・一般的に戸袋は和風住宅と相性が良い
・戸袋を設置する主な目的は、雨戸が不要な時に収納するため
・戸袋があることで、雨戸の劣化を遅らせることができる
・現在の戸袋の素材は、主にアルミ製・スチール製・銅製・木製などがある
雨戸に戸袋を設置するメリットとは?
こちらでは,、雨戸に戸袋を設置するメリットについてご説明します。
雨戸を1つにまとめて収納できる
戸袋があることで、雨戸をスライドさせて1つにまとめて収納することができます。
もし、戸袋のような雨戸の収納先がないと、雨戸が不要な時はいちいち外し外壁に立てかけることになります。
そうなると、大変不便です。
戸袋があることで、取り外す必要もなく、スライドさせて1つにまとめてラクに収納できます。
雨戸を劣化から守ってくれる
戸袋があることで、雨戸を紫外線や雨水による劣化から守ってくれ、長持ちさせてくれます。
戸袋を設置する主な目的は、雨戸の収納です。
もし雨戸を収納する場所がなく、出しっぱなしにしておくと、紫外線や雨水に晒され続けることになります。
雨ざらしになると当然、劣化が進みます。
台風や大風など以外は、雨戸を戸袋に収納しておくことで、紫外線や雨水の影響が小さくなり雨戸が長持ちします。
整理整頓ができている住人を演出できる
雨戸が不要な時は戸袋にキッチリと収納できていることで、訪問者に整理整頓ができている住人を演出することができます。
もし、雨戸が不要な時にも関わらず、出しっぱなしにしていると、訪問者からはだらしない人という印象を持たれてしまいます。
ところが不要な時には戸袋に全て収納できていると、開口部周りがスッキリとした印象に見えます。
すると訪問者からみた住人の印象は、常に整理整頓ができている人であるという好印象を演出することができます。
雨戸に戸袋を設置するデメリットとは?
こちらでは,、雨戸に戸袋を設置するデメリットについてご説明します。
設置料金がかかる
戸袋を設置すると、設置費用がかかります。
費用の増減はメーカー・素材・サイズ・設置場所(足場の必要性)によって変ってきます。
住宅の1階で、設置面積が小さく、スチール製で、ノンブランド製の戸袋であれば安く済みます。
また、大工さんが安価な材料で造作すれば安く済ませることができます。
逆に2階建て以上で、設置面積が広く、アルミ製で、有名ブランド品であれば高くなります。
また銅板で造作すると高くなります。
造作とは、既製品でなく、大工さんなどが現場で材料から手造りすることです。
戸袋内にゴミが溜まる
戸袋内は、完全密閉できないのでゴミが溜まります。
戸袋にはよくホコリや虫の死骸、枯れ葉などが溜まります。
また、戸袋の奥は暗くて見えづらく、掃除がしづらいという別のデメリットがあります。
見栄えが悪く見える
戸袋を設置すると、壁が飛び出しているように見えて、見栄えが悪く見えます。
戸袋は、雨戸の収納枚数が多いほど、壁が飛び出して見えます。
そうなるとどうしても「出っ張り感」が気になり、見栄えが悪く見えてしまいます。
雨戸の戸袋の設置をおすすめする人
こちらでは、雨戸の戸袋の設置をおすすめする人についてご紹介します。
(1)晴れた日には、雨戸を収納して開口部周りをスッキリしたい人
(2)紫外線・雨水による雨戸の劣化を防ぎたい人
(3)最新の雨戸と戸袋を設置したい人
(4)戸袋の鏡板にこだわりのデザインをしたい人
(5)和風住宅の趣を演出したい人
(6)古民家を購入したので、開口部に戸袋が必要な人
(7)そもそも雨戸や戸袋などの日本的な建具が好きな人
まとめ
今回は、雨戸の戸袋とは何か・雨戸に戸袋を設置するメリットとは・雨戸に戸袋を設置するデメリットとは・雨戸の戸袋の設置をおすすめする人の4点についてご紹介しました。
雨戸に戸袋は必須アイテムです。
戸袋があることで、雨戸の良さをより引き出してくれます。
もし現在、雨戸と戸袋のことで疑問があれば、ぜひ一度雨戸・戸袋の専門業者にお問い合わせすることをおすすめします。