建具屋さんに頼める?建具屋で出来る修理、出来ない修理。大工さんとの違いや特徴についても説明

※2023年11月30日記事を更新し建具屋さんと大工さんの違いや建具屋の将来性、年収などについても加筆しました。

本日は建具屋さんに依頼出来る仕事と対応出来ない仕事などについて記事にしています。例えば室内のドアや襖、障子が壊れた時、建付けが悪くなった時、この様な時にどこに依頼するのが良いのか迷う事がありませんか?建具屋さんなのか、大工さんなのか、工務店さんなのか?ざっくり工務店に依頼すれば、ほぼ住宅の全てに対応してくれるので手っ取り早い気はします。しかし実際は工務店としてお抱えの職人(建具屋、襖屋、ガラス屋、サッシ屋)などに依頼し中間マージンを得るだけと言う事も少なくありません。自分では作業をせずに紹介だけを行うイメージです。これはこれで窓口業務なので依頼者であるお客様が楽で満足であれば問題ありませんが、インターネットで情報がすぐに取集できる現代では直接職人さんに依頼した方がコスパの面でも良いですし色々な細やかな注文もお願いする事が可能かと思われます。そうした中、建具屋さんが対応出来る仕事を理解しておくのはミスマッチを防ぐ為必要な知識です。参考にして頂ければ幸いです。また、大工さんとの違いや建具屋のなり方、将来性などにも触れていますので、建具屋の仕事をより深く知りたい方はじっくり読み進めて下さい。

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建具屋が出来る修理の仕事

建具屋さんが出来る修理の仕事は主にドアや引戸の修理です。元々は木製建具の製作から調整、修理が大きな仕事でしたが、住宅構造が変化する中で木製造作物やサッシ、ガラス関係のお仕事も請けている建具屋さんもいるようです。一方、餅は餅屋と言われる事もありやはり建具屋さんのメインは木製建具製作とそれに伴う建付け調整や修理と言う事になります。サッシ系の修理であればやはりサッシ屋(ガラス屋)の方が得意分野と言う事は変わりありません。細かな部品などはサッシメーカーから入手せざる得ない事もあり、その際に建具屋さんではサッシメーカーの部品仕入れが出来ない(そもそも取引が無い為)と言う事も発生します。

引き戸の動き修理

室内建具の引戸の不具合は建具屋で修理可能です。戸車のある無しに関わらず建具屋さんが調整修理など請け負ってくれます。

ドアの建付け丁番の修理

これも建具屋さんの得意ジャンルです。木製の建具の場合古い丁番で中々今の丁番とは適合出来ない事もありますが建具屋さんなら木製ドアの加工を行い修理出来ます。

ドアノブの修理

ドアノブは多くの職種の方で修理が可能です。建具屋、サッシ屋、鍵屋、便利屋、等。勿論建具屋さんでも修理可能です。

襖や障子の修理

襖や障子の張り替えや建具本体の破損や歪みも建具屋さんで修理可能です。まさに建具屋さんの仕事です。

網戸の張り替え

網戸の張り替えは建具屋さんでも対応しています。

建具屋が出来ない修理

建具屋さんで対応する作業もありますが一旦請けて外注に出す事も少くなくありません。良心的な業者なら外注部分は原価で出す(自分の所が外注先から請求される金額のみ)事もありますが多くは数パーセント上乗せした金額で見積りを出すようになります。

※時代の変化に伴い、室内建具関連の製作・取り付けやそれに伴う修理をメインでおこなっていたが、幅を広げてアルミサッシやガラス、その他、周辺の業務を行っているケースも珍しくありませんのでその点も踏まえて以下の項目を参考にして下さい。

ガラス交換

ガラス交換はガラス屋の仕事となり建具屋さんで請けた場合でも外注に出す事が多いようです

サッシの修理

建具屋さんで対応するケースもありますが不得意ということも少なくありません。前述しましたが細かな部品や専門的な修理は対応不可になる可能性が高いです。

アルミサッシ系雨戸や窓のリフォーム

木製の窓交換や雨戸の修理等は建具屋さんで対応可能です。一方、金属系の窓リフォーム等は断られるケースもあります。金属系のアルミサッシなどはサッシ屋(ガラス屋)の仕事となります。

内窓取付

内窓はサッシ屋(ガラス屋)の仕事です。建具屋さんでも業務範囲を広げられている会社は対応しますが、そうでない会社は対応不可です。

建具屋の強みと弱み

職業として捉えた時の、建具屋の強みや弱みを説明した上で、

強み

  1. 専門的な技術と知識:建具屋は、木材加工や刃物の研磨、機械工具の操作など、特化した技術を持っています。これにより、高品質で精巧な建具を製作できます。
  2. オリジナルデザインを提供:顧客のニーズに応じたこれしかないオリジナルの建具を提供できるため、デザインの柔軟性や希少価値が高いです。
  3. 伝統技術の保持:特に和建具に関しては、伝統的な技術やデザインを維持し、文化的な価値を提供します。
  4. 市場のニーズへの適応:建具屋は時代の流れに応じて、和建具から現代的な建具まで、幅広い製品を提供する能力があります。

弱み

  1. 市場の縮小:現代の住宅建設では、プレハブ部品や標準化された建材の使用が増えており、オーダーメイドの建具に対する需要が減少しています。
  2. コストと時間:オーダーメイドの建具製作は時間とコストがかかるため、大量生産に基づく製品に比べて価格競争力が低いことがあります。
  3. 技術者の不足:高度な技術を要する仕事のため、熟練した職人の不足が問題になることがあります。
  4. 技術の継承問題:伝統的な技術の継承が難しく、特に若い世代の技術者不足は将来的な課題です。

以上のように、建具屋は専門技術とデザインの自由度の高さが強みであり、一方で市場の変化やコスト競争、技術継承の問題が課題となっています。

建具屋と大工の違いは何?

建築現場における違い

建具屋と大工の主要な違いは、彼らが建築プロジェクトにおいて担う役割の違いにあります。大工は建物の基礎構造、つまり骨組み、柱、天井、外壁といった家の構造全般を担います。これに対し、建具屋は主に内装に特化し、大工が建てた家に合わせた障子、襖、ドア、備え付け家具などの建具を製作、納入、取り付けを行います。修理に関してはどちらも一定レベルの技量がある為、同様の修理内容について互いに対応できるケースが多いです。

技術と専門性

建具屋は、細かい木材の加工技術、刃物の研磨と調整、機械工具の操作など、特定のスキルが求められます。これらの技術は、建具が正確にフィットし、機能的で美しい仕上がりを実現するために不可欠です。大工の技術は建物全体の安全と構造的整合性に焦点を当てているのに対し、建具屋の技術は内装の美観と機能性を高めるために特化しています。

職業の特性と求められる能力

大工の職は、建物全体の設計図を理解し、構造的な強度と安全性を確保することが重要です。一方で建具屋は、細部にわたる精密な作業と、材質の理解、さらにはデザインセンスが求められます。建具の製作には、木材の種類や乾燥状態、木目の理解が必要であり、これらの知識と技術を駆使して、長期にわたり機能性と美観を保つ製品を生み出します。

以上の点から、建具屋と大工は同じ建築業界に属しながらも、その職務内容、必要とされるスキルや専門性において大きな違いがあるとされます。

建具職人になりたい人は注目

ここでは、建具職人になりたい方の為に、将来性や、なり方、収入面等を説明していきます。

建具屋の将来性

先程は「建具屋の弱み」で、市場の縮小を取りあげましたが、一方で建具職人の仕事は、時代の変化に伴って多様化しています。伝統的な木製建具から、現代的なフラッシュドアや金属製サッシまで、建具の種類は広範囲にわたります。また、建具屋は造作家具の製作にも手を広げています。昔ながらの木製建具に対する需要の復活や、リフォーム・中古住宅市場の拡大により、建具職人の技術は引き続き需要が見込まれます。

建具職人のなり方

建具職人になるためには、特定の資格や学歴は必須ではありませんが、職業訓練校への通学や建具会社への就職が一般的なルートです。技術の習得には時間がかかりますが、手先が器用で細かい作業に集中できる人に向いています。また、「建具製作技能士」という国家資格を取得することで、仕事の幅が広がり、建具職人としての信頼を得ることも可能です。詳しくは以下のページが参考になります。

年収はいくらくらい?

建具職人の平均年収は約350万円とされています。従業員数が少ない企業では平均年収が300万円前後になることもあります。全体的に見ると、一般的なサラリーマンの年収よりは低い傾向にありますが、規模の大きな職場を選ぶことで安定した収入を得ることも可能です。また、下積み期間を経過後、しっかりとした実務的な技術が身につけば独立して年収1000万円を目指す事も十分に可能です。インターネットでの集客や建具のネット通販などを視野に技術とネットをマッチアップさせる事で可能性は広がります。

業界団体はあるの?

建具業界には「一般社団法人 全国建具組合連合会」という団体が存在します。一般社団法人 全国建具組合連合会は、日本全国の建具業界を代表する主要な組織です。この団体は、建具職人や建具屋が直面する様々な問題に対応し、彼らを支援する役割を果たしています。業界の発展を促進するために、技術の向上、情報交換、業界の標準を設定し、また新しい技術の習得や業界の動向に関する情報を提供しています。

加えて、全国建具組合連合会は、職人の教育や訓練プログラムの提供、業界の宣伝活動、さらには法規制や政策に関する提言も行っています。これらの活動を通じて、建具業界全体の質の向上と発展を目指しています。連絡先は東京都千代田区に位置しており、業界関係者や関心を持つ人々が交流や情報収集のために利用できるハブとなっています。

まとめ

本日は、建具屋が行える作業と対応できない作業について詳細に解説しました。建具屋は、室内ドアや襖、障子の修理、建付け調整、網戸の張り替えなど、特に木製建具に関連する多様な作業を行います。一方で、サッシの修理やアルミサッシのリフォームなど、専門性が高い作業は、他の専門業者に依頼することが多いです。また、大工との違い、建具屋の強みと弱み、そして建具屋を仕事にしたい方へのニーズについても触れ、読者に建具屋の職種についての包括的な情報を提供しました。この記事が建具屋の適切な選択や彼らのサービスの理解に役立つことを願っています。

Posted by doorrd