室内ガラスの修理には職人の技術が隠れている?!

ガラスの修理で比較的ご依頼の多い案件に”室内ガラス交換”があります。今回も室内ガラスの交換に伺ってまいりました。

【施工前】

【施工後】

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今回修理したガラスは2mmの厚みしかない薄いガラスです。梨地ガラスと言うガラスで室内の建具に使用されている事が多いガラスなのですが実は室内建具のガラス施工にはちょっとしたコツがあるのです。

室内建具といっても最近のデザイン性の良い建具ではなく、おじいちゃん、おばいちゃんの家にある昔ながらの木枠の建具の事ですのでご了承下さい。

室内建具の構造

日本古来の室内木製建具はあまりネジなど使っておらず木を加工して段差や穴を利用して組み上げる仕様となっています。

縦と横の加工した木を組み立てる事で室内建具として製品になっています。少量の接着材が仕様されている事もありますが基本は木組みです。ガラスを組み入れる際は事前に木枠にどのくらいガラスの飲み込みを設けるかなど予め設計し組み上げられています。

そうした事からガラスが割れてしまい一部分だけガラスを入れ替えるケースでは職人の技によってガラスを綺麗に納める方法があります。ガラスが割れたからと言って木組みを全部ばらしてしたのでは手間がかかり過ぎますからね。

室内建具ガラス交換の寸法出し

例えばこの写真の様なガラス

部屋と部屋の仕切りや部屋と廊下の仕切りによく使用されているガラス入り建具ですね。

ガラスを交換する上でどの様に見るのか?と言いますと・・・

真ん中の赤い横線に仕切りの木製桟が入ります。青〇上下にガラスが入ります。

1.上の青〇の開口部分が仮に横800mm、縦250mm(赤い横線までのサイズ)

2.下の青〇の開口部分も同様とした時にどの様にガラスをカットして木枠に綺麗に納めるのか?

木枠本体のガラスの飲み込みは左右6mm

赤の横線に該当する木製桟は上下3mmずつ飲み込みがあります。(すべての木製桟にも同様の飲み込みあり)

なにかの問題みたいになって来ましたね(苦笑)

答えはこうです

横幅808mm

縦幅255mm

このサイズを2枚。。

これで綺麗に納まる事ができます。

室内建具ガラス交換のポイントを解説

まず、縦幅255mmですが、もともと250mmのガラスが必要なので理解できると思います。

考えるのは上下の飲み込み各3mm(合計6mm)についてです。

250mm+6mmにしても計算上は正解ですが、あまりにピッタリだと余裕がないので1mm減にするのが現実的となります。

さて、問題は横幅808mm。。

800mmのガラスが必要なのは理解できると思います。あとは飲み込みを何mm取るのか??

と言う事です。片方の飲み込みは6mmしかないのに8mmだと木枠に入らないのでは?というのが数値だけ見た率直な考えだと思います。

ただちょっと考えて下さい。806mmにしてしまうと片方の飲み込みには入るものの、もう一方は木枠の面(つら)になってしまうのでキッチリ納まっているとは言えません。なので最低2mmは飲み込みに入れる為に808mmでガラスをカットします。

ガラスの収め方

2mm分長くカットした横の長さをどの様に収めるか?

【湾曲させて飲み込みに入れる】これぞ職人の技!

ちょっと大袈裟でしたね。

多少慣れれな上手く行きますが最初は結構難しいです。ガラスが割れそうです。まずは片方の飲み込み6mmにしっかりガラスを入れて、それからもう一方の飲み込みには橋型に湾曲させながら入れて納めます。

こうする事で両方の飲み込みにガラスがしっかり入っていますので数ミリ動いた所で隙間など出来ず大変綺麗に納まりになると言う事です。

まとめ

本日は室内建具のガラス納まりについて記事にしました。

Posted by doorrd