ガラスの代わりに使われるポリカーボネートとは?特徴や違いなどを解説
現代の生活のなかで、数えきれないほどのプラスチック製品があります。
ただ、プラスチックといってもさまざまな種類があり、なかでも「ポリカーボネート」はカーポートやベランダの屋根材として使用されることが多いものです。
そこで今回は、ポリカーボネートとはどのような素材なのか、デメリットやアクリルとの違いなどを解説します。
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ポリカーボネートってどんな素材?
ポリカーボネートは、透明性、耐衝撃性、耐熱性に優れた熱可塑性プラスチックの一種であり、英語では「Polycarbonate」と書きます。
1898年にドイツで発見された素材であり、プラスチックの素材の一つとして商品化されたのは1953年です。
現代の生活のなかで、プラスチック製品を見ない日はありませんが、とくに多く使われているプラスチック素材は30種類ほどあります。さらに、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルの4つは4大汎用プラスチックに該当します。
ポリカーボネートは4大汎用プラスチックには入らないものの、生産量が多いプラスチックの一つであり、主にカーポートやベランダの屋根材などに使用されています。
ポリカーボネートのメリット
カーポートやベランダの屋根材を選ぶ際、ポリカーボネートを選択肢の一つとして検討している方も多いでしょう。
ここでは、ポリカーボネートのメリットを解説します。
耐候性に優れている
ポリカーボネートは、耐候性に優れていることがメリットでの一つです。
耐候性とは、日光や雨、風などの外的要因の影響を受けても劣化しにくいことを指します。そのため、屋外にあるカーポートやベランダの屋根材として適した素材であるといえます。
紫外線に強い
ポリカーボネートは、紫外線に強いこともメリットとして挙げられます。
本来、プラスチックは紫外線に弱いとされますが、ポリカーボネートは紫外線の影響を防止するため耐候処理が施されています。そのため、紫外線の影響を受けても劣化しにくくなり、屋外での長期使用にも耐えうる素材となっているのです。
加工しやすい
ポリカーボネートは素材自体が柔らかく、加工性に優れていることもメリットです。
加工性が高いため、複雑な形状やデザインの製品を製造するのに適しています。また、カットやドリル加工も容易に行えるため、後加工の自由度も高いです。
カーポートやベランダの屋根材として施工する際、現場で加工が必要になったときに簡単に作業できるのは大きな利点といえるでしょう。
軽量である
ポリカーボネートは、高い耐候性を持ちながら、非常に軽量な素材であるという魅力もあります。施工現場に持ち込むのが簡単になるうえに、施工する際に怪我をするリスクを軽減できます。
ポリカーボネートのデメリット
ポリカーボネートはさまざまなメリットがある一方で、デメリットもあります。
では、どのようなデメリットがあるのか見ていきましょう。
傷付きやすい
ポリカーボネートの硬度はそれほど高くないため、他の素材と比較して傷が付きやすいという特性があります。
小石がぶつかったり、物が飛んできて傷ついたりする可能性があり、傷が増えて美観が損なわれる、透明性がなくなるといったことが起きやすいため、きれいな状態を長く維持したい方は注意しましょう。
溶剤に弱い
ポリカーボネートは特定の化学物質や溶剤に対して弱い性質があることもデメリットの一つです。
身近な溶剤を挙げると、アルコールやガソリンなどが挙げられ、溶剤がポリカーボネートにかかると表面が軟化したり、白くなったりする可能性があります。そのため、外壁塗装や屋根塗装を施工してもらうときなどは、溶剤がかからないよう十分に注意する必要があるでしょう。
また、一度溶剤がかかって劣化すると、もとの状態に修繕するのはむずかしいため、交換が必要になります。
ポリカーボネートとアクリルの違い
透明性が高く、なおかつ耐候性に優れていることなどがポリカーボネートの魅力ですが、似たような特徴を持つ素材にアクリルがあります。
ここでは。ポリカーボネートとアクリルの違いを解説します。
耐衝撃性
ポリカーボネートとアクリルは、透明なプラスチック材料として広く用いられますが、耐衝撃性において大きな違いがあります。
ポリカーボネートは非常に高い耐衝撃性を持ち、同厚さのアクリルよりも約50倍強いとされています。そのため、安全性が求められる用途や衝撃による損傷のリスクが高い環境では、ポリカーボネートが好まれます。
一方、アクリルは硬度が高いために見た目の透明度が高いものの、衝撃に対しては脆く、容易に割れることがあるので注意が必要です。
加工性
加工性に関しては、アクリルとポリカーボネートのどちらも高温での成形やカットが可能です。
しかし、アクリルはポリカーボネートに比べて削りやすく、磨き上げることでガラスのような仕上がりを実現できます。アクリルは加熱後に冷却すると形状が固定されるため、複雑な形状の製品を作る際には有利です。
一方、ポリカーボネートは加工時の温度管理がむずかしく、加工後の冷却過程での歪みが発生しやすいといえます。そのため、加工性はアクリルが優れているといえるでしょう。
燃えにくさ
ポリカーボネートはアクリルに比べて燃えにくい特性を持っています。
アクリルは炎に触れると比較的簡単に燃え、燃焼時には黒煙と有毒なガスを発生させることがあります。一方、ポリカーボネートは自己消火性を備えており、連続耐熱温度も高い特性があります。
そのため、火災時の安全性が求められる環境では、ポリカーボネートが選ばれやすいでしょう。
価格
価格に関しては、ポリカーボネートはアクリルに比べて高い傾向にあります。
ポリカーボネートはアクリルと比較して、優れた性能を持っている反面、比較的効果なプラスチック素材です。一方で、アクリルは比較的安価であり、コストを抑えつつ高い透明度や美しい光沢が必要な場合に選ばれることが多いでしょう。
買い替え頻度を抑えて、耐衝撃性や難燃性などの性能を重視したい場合は、ポリカーボネートを選ぶのがおすすめです。
まとめ
今回は、カーポートやベランダの屋根材として用いられることの多いポリカーボネートの特徴を解説しました。
ポリカーボネートは透明性が高いうえに、耐候性や耐衝撃性などに優れており、屋外で使用するのに適したプラスチック素材であるといえます。一方で、アルコールやガソリンがかかると劣化してしまうなどの注意点もあるため、採用するときは慎重に検討しましょう。
ぜひ今回の記事を参考に、カーポートやベランダの屋根の素材選びを進めてみてください。