マンションや雑居ビルでドアストッパーを使用するのは違法?

マンションや雑居ビルに設置されているドアにはドアストッパーがついていないことも多く、自分で購入したドアストッパーを使っているというケースも多いですが、実はドアストッパーの利用が違法行為になっている可能性もあるのです。

とはいえ、そもそもマンションの玄関ドアや雑居ビルのドアがどのような目的で設置されているのかを理解しないことにはドアストッパーをなぜ使用してはいけないのかわかりませんよね。

そこで本記事では、マンションや雑居ビルでドアストッパーを使用すると違法行為になる可能性があることについて詳しく解説します。

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マンションや雑居ビルでドアストッパーを使用するのは違法?

結論から申し上げますと、マンションや雑居ビルでドアストッパーを使用するのは違法行為に当たります。

というのも、マンションや雑居ビルに設置されているドアは出入り口のためだけではなく、万が一火災が発生したときに延焼を防ぐための防火扉としての役割を担っているからです。

そのため、防火扉として設置してあるドアがドアストッパーによって開けっ放しになっていると防火扉の役割を果たすことができず、建築基準法によって定められている防火扉の基準に満たないため、違法行為となります。

このような理由からマンションや雑居ビルでドアストッパーを使用することは違法行為となりますので、換気や出入りに便利だからといってドアストッパーを使用することはやめましょう。

ドアストッパーは消防法に違反している

ドアストッパーの設置は、消防庁が定める消防法という法律にも違反しています。

マンションの玄関ドアについては総務省消防庁の「特定共同住宅等の位置、構造及び設備を定める件」によって以下のように定められています。

”イ 上下に設けられた開口部(直径〇・一五メートル以下の換気口等及び相互間の距離が三・六メートル以上である開口部を除く。)に防火設備である防火戸が設けられていること。 ロ 住戸等で発生した火災により、当該住戸等から当該住戸等及びそれに接する他の住戸等の外壁に面する開口部を介して他の住戸等へ延焼しないよう措置されたものであること。 (三)住戸等と共用部分を区画する壁は、次に定めるところによること。 イ 開口部((イ)から(ハ)までに掲げる換気口等を除く。)には、防火設備(主たる出入口に設けられるものにあっては、随時開くことができる自動閉鎖装置付のものに限る。)である防火戸が設けられていること。 (イ)直径〇・一五メートル未満の換気口等(開放性のある共用部分に面するものに限る。) (ロ)直径〇・一五メートル以上の換気口等であって、かつ、防火設備が設けられているもの。 (ハ)(イ)及び(ロ)に掲げるもののほか、開放性のある共用部分以外の共用部分に面し、かつ、防火設備が設けられている換気口等”   (出典:総務省消防庁「特定共同住宅等の位置、構造及び設備を定める件」

このように、マンションにおける玄関ドアは随時開くことのできる自動閉鎖装置付のものに限るとされているため、自動閉鎖装置の機能を妨げるドアストッパーの使用は基本的には認められていないのです。

マンションによってはドアストッパーが付いている玄関ドアが設置されている場合もありますが、消防の指導によって撤去されているケースが多いようです。

ドアストッパーは建築基準法にも違反している

ドアストッパーは延焼を防ぐために定められている建築基準法にも反しています。

建築基準法の防火区画については以下の通りです。

防火区画内容
面積区画大規模な建築物における火災の拡大を防ぐために、一定の面積で分けた区画のことです。耐火建築物では、1,500平米以内ごとに区画されます。 主要構造が耐火構造となる建築物では、床と壁は耐火構造で、開口部は特定防火設備にする必要があります。
高層区画11階以上の高層部分を、一定の面積で分けた区画のことです。建物の高層部分には消防車の梯子が届かないことから、火災拡大を抑えるために設けられた区画となります。床と壁は耐火構造で、開口部は特定防火設備にする必要があります。
竪穴区画火災時に吹き抜けや階段など、縦につながる部分からの延焼を抑えるための区画のことです。主要構造部が準耐火構造以上で、地階または3階以上の階に居室がある建物に適用されます。床と壁は45分の準耐火構造で、開口部は遮炎性能を持つ防火設備にする必要があります。
異種用途区画建物の一部が一定の用途に該当する場合に、その部分と他の部分を分けた区画のことです。床と壁は1時間の準耐火構造で、開口部は遮炎性能を持つ特定防火設備にする必要があります。

(出典:東急リバブル「防火扉(防火戸)の設置基準は?仕組みや機能も解説」

このように、建築基準法の防火区画は延焼を防ぐために設けられた区画であり、それぞれに十分な遮炎性能のある設備の設置が求められています。

そのため、遮炎性能を著しく欠いてしまうドアストッパーの使用は建築基準法にも違反してしまう恐れがあるのです。

まとめ

本記事では、マンションや雑居ビルでドアストッパーを使用すると違法行為になる可能性があることについて詳しく解説しました。

ドアストッパーを使用することで換気や出入りをスムーズにすることができますが、常用的にドアストッパーを使用してしまうと消防法や建築基準法の基準に満たないため違反行為となってしまう可能性があります。

そのためドアストッパーを使用する場合は必要最低限に抑えることが大切で、基本的に延焼を抑える役割のあるドアについては締め切っておくことが大切です。

実際に防火性能の基準に満たないドアを設置した建物で火災が発生して数十分で火の気が建物全体に回ってしまったというケースもあるため、万が一に備えておくことがとても大切なことです。

ぜひ本記事を参考にしてドアストッパーの使い方についてチェックしてみてください。

Posted by doorrd