建築基準法を解説!トップライト(天窓)は網入りガラスにする必要はある?
トップライト(天窓)の設置についてこのようなお悩みはありませんか?
「トップライトは建築基準法上どのような扱いになる?」
「トップライトの建築基準法上の規定は?」
「トップライトは網入りガラスにする必要はある?」
トップライトを住宅に取り入れることで、空間の開放感や採光量の多さなど、さまざまなメリットがあるため取り入れるという方も多いですが、トップライトは建築基準法上複雑に規定されているため、どのような扱いになってどのように規定されているのかを理解しておくことが非常に大切です。
とはいえ、建築基準法をじっくりと読んでもトップライトについて明確に定められていることがないため、まずはトップライトがどのように扱われており、どのように定められているのかを知っておきましょう。
本記事では、トップライト(天窓)を設置する上で知っておくべき建築基準法上の扱いや規定、さらにはトップライトは網入りガラスにする必要はあるのか、などについて詳しく解説していきます。
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トップライト(天窓)は建築基準法上どのような扱いになる?
建物を建てるとき、建築基準法や行政が定める規定により、基準を遵守した設備を設置する必要があるため、まずはトップライトがどのような扱いになるのかを知っておく必要があります。
トップライトは「天窓」と呼ばれることもあり、「窓」という認識が一般的には浸透していますが、実は防犯上および耐火上の観点から考えると「屋根」として考える必要があります。
つまり、トップライトを設置する場合は、「窓」の設置に定められている規定を遵守するのではなく、「屋根」の設置に定められている規定を遵守する必要があるのです。
それでは、トップライトを含めた屋根には建築基準法ではどのような規定が定められているのでしょうか。
トップライト(天窓)の建築基準法の規定は?
結論から申し上げますと、トップライト(天窓)を含めた屋根に関する規定は建築基準法では明確に定められていませんが、下記の通り建築基準法の第63条と第22条に屋根について定められています。
防火地域又は準防火地域の建築物の屋根の構造は、市街地における火災を想定し た火の粉による建築物の火災の発生を防止するために屋根に必要とされる性能に関 して建築物の構造及び用途の区分に応じて政令で定める技術的基準に適合するもの で、建設大臣が定めた構造方法を用いるもの又は建設大臣の認定を受けたものとしな ければならない。
(出典:昭和二十五年法律第二百一号建築基準法「第63条」)
特定行政庁が、防火地域及び準防火地域以外の市街地について指定する区域内にある建築物の屋根の構造は、通常の火災を想定した火の粉による建築物の火災の発生を防止するために、屋根に必要とされる性能に関して、建築物の構造及び用途の区分に応じて政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものまたは国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。ただし、茶室、あずまやその他これらに類する建築物または延べ面積が十平方メートル以内の物置、納屋その他これらに類する建築物の屋根の延焼のおそれのある部分以外の部分については、この限りでない。
(出典:昭和二十五年法律第二百一号建築基準法「第22条第1項」)
このように、建築基準法では屋根について明確に定められていないですが、基本的な考え方としては防火地域および準防火地域として定められちる市街に設置する屋根に関しては不燃材を採用したトップライトを設置する必要があるのです。
また、防火地域および準防火地域に建設する建物は耐火建築物もしくは準耐火建築物と呼ばれており、これらの建築物においてトップライトを設置する場合、30分耐火を満たすことが最低限の設置条件となっています。
建築基準法に違反するとさまざまな注意勧告ののち刑事罰になる可能性があるため、遵守することが必要です。
防火地域および準防火地域とは?
防火地域および準防火地域とは、火事が多い地域や火事の発生を防がなくてはならない地域が指定されています。
具体的には、駅周辺の地域や木造住宅が密集している地域など、1軒が火事になってしまうと多くの人に影響が出てしまう地域が該当します。
このような地域のことを「法22条区域(建築基準法22条指定区域)」と呼び、耐火建築物もしくは準耐火建築物を建てる必要があるのです。
トップライト(天窓)は網入りガラスにする必要はある?
ここまでお伝えした通り、トップライトは屋根に該当するため、防火地域および準防火地域においては30分耐火を満たす必要がありますが、その場合はかならず網入りガラスを設置する必要があります。
このような理由からトップライトに使用するガラスは耐火性の強いガラスを選ぶわけですが、ガラスの種類には「強化ガラス」や「耐熱ガラス」、「網入りガラス」などさまざまな種類があってどのガラスを選べばいいのかわかりませんよね。
しかし、実は建築基準法に基づいて定められている30分の耐火を満たしているガラスの種類は「網入りガラス」のみとなるため、防火地域および準防火地域の建造物でトップライトを採用する場合は「網入りガラス」を使用することが必須なのです。
まとめ
本記事では、トップライト(天窓)を設置する上で知っておくべき建築基準法上の扱いや規定、さらにはトップライトは網入りガラスにする必要はあるのか、などについて詳しく解説していきました。
お伝えした通り、トップライト(天窓)は建築基準法上では「屋根」として扱われるため、防火地域および準防火地域に建設する耐火建築物もしくは準耐火建築物に設置する場合は、かならず30分の耐火性能を持っている網入りガラスを選ぶ必要があります。
とはいえ、建築基準法ではトップライトについて明確に定められているわけではありませんので、防火地域および準防火地域以外の地域の建造物に関しては、かならずしも網入りガラスをトップライトに使用する必要はありません。
ぜひ本記事を参考にしてトップライトの建築基準法上の扱いについて理解してみてください。