面格子は防犯対策に意味がない！？その真意と面格子の必要性
住宅街では防犯対策の為に窓に面格子を設置されている住宅も結構多く見かけます。近年ではそもそも人が侵入できる大きさの窓はリビングや居室に限定されて残りの窓は細長いタイプで半開きにしか開かない窓や、FIX（開閉しない窓）の明かり取り程度の窓など泥棒などの侵入者が入れないサイズの窓が主流になって来ています。
とはいえ、従来タイプの中窓や小窓 2枚引き違いの窓は圧倒的に多く、防犯の為、そこに面格子を取付けたいというニーズも多くあります。人によっては面格子の効果を疑う様に、「面格子は防犯対策に意味がない！」と仰る方もいるようです。本当にそうなのか？本日は面格子の防犯対策としての有効性なども含めて解説して行きたいと思います。
先日も防犯対策で面格子を取付したいと仰るお客様邸で施工を終えて来ました。実際に現場で作業をしているサッシ屋としても見解も交えて解説して行きたいと思います。
【面格子施工前】
【施工後】
面格子は防犯対策に意味がない！？その真意とは。
実は一般的に面格子として取付されている面格子は格子の部分を強く引っ張ると外れてしまうと言う事実があります。特に上記写真の様なアルミ製の縦格子や横格子は人の力でも格子の部分を強力に引っ張り壊す（取り外す）事が出来ます。
実際に泥棒の現場など何度が立ち会った経験上、格子を外してガラスを割り、住宅に侵入した所の修理を行った経験があります。「あ～面格子って意外と弱いんだな～」と感じた事を思い出します。
したがって、その様な知識がある方に言わせれば防犯対策として面格子は意味がない！と仰るのだと理解しています。
もう1点、
面格子の取付け方法に関わる事です。後付けで面格子を取付ける時は外壁に格子の足をビス止めします。面格子はネジで止まっているのです。泥棒などの侵入者からすれば、ネジで取り外せば、格子を破壊するなどの音を立てる事もなく取り外せてしまうのです。
この事実も面格子は意味が無いと言われる所以ではないでしょうか。
面格子の必要性
面格子の防犯性に対して少し不安を感じられたのではないでしょか？しかし面格子にもメリットはしっかりあります。
泥棒や侵入者に対しての視覚的効果
泥棒は一般の人よりも用心深く、自分が捕まらない様に最善の方法で侵入すると言われています。音や光に敏感で、雨の日を好む（雨の音で自分の存在を薄くしてくれる且つ、他人の家の様子を気に掛けなくなる等）泥棒も多い様です。また補助錠や防犯設備が設置されている家への侵入は見送ると言う泥棒の本音もあります。
この様な用心深い泥棒に対して、面格子はどの様に見えるのでしょうか？
防犯意識の高い住宅。
面格子が外れるのは知っているが面倒だし作業中に気づかれるかも。
わざわざ面格子を外すよりも隣の家の方が楽に侵入できそうだ。
音がするので面格子を外すなんて馬鹿な事はしない。
そう、面格子による抑止効果はやはり十分に期待できると考えます。泥棒は時間がかかる侵入経路を最も嫌います。スッと侵入してスッと家を出たいのです。無施錠の家への侵入割合が最も多いのもこの様な理由からと思われます。
時間のかかりそうな面格子をワザワザ壊してでも侵入しようとする泥棒はよほど何かの動機があると考えても良いのではないでしょうか。
面格子の弱点を克服
泥棒に対してやはり万全な対策を講じたいと仰る方には、防犯ガラス等もお勧めです。それでも面格子による飛来物防止効果も同時に得たい方には、CPマーク付き（Crime Prevention（防犯）の頭文字です。” Crime （犯罪）” ”Prevention （防止）”と言う単語となります。）の面格子をお勧めします。
CPマークとは、（一社）日本サッシ協会を含む建物部品関係団体や警察庁、国土交通省、経済産業省により構成された「防犯性の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」の試験に合格し防犯建物部品目録に掲載された商品にのみ使用が認められているマークの事です。このCPマークのシールがついた商品を選ぶ事で一定以上の防犯性が認められた証となりますので大変安心です。
面格子にもCPマーク付きの商品があります。ステンレス面格子や高強度面格子と言われる商品です。これらの商品の取付けネジはワンウェイねじなど防犯性の高いネジが使用されています。一般的に工具で取り外す事ができませんので面格子の弱点もクリアされた商品として人気です。
ネジの頭をつぶすと言う技も
サッシ屋の中には、一般的の面格子を取付した後に、防犯性の向上と言う目的で取付ネジの頭をつぶす事があります。プラスドライバーが入らない様に接着剤を頭に流したり、プラス部分を意図的に欠けさせビスが取れない様にします。
もちろん、泥棒が容易に外せないという事は、こちらにお住いの方が何らかの理由で面格子を取り外したいと思ったとしても大変苦労する事になるのは容易に想像出来ます。考え方によっては、 ワンウェイねじなど防犯性の高いネジも専用工具が必要で容易に外せないので、予算的にCPマーク付き面格子の設置が難しい場合は検討の余地もあるかもしれませんね。
まとめ
本日は、面格子は防犯に意味があるのか、ないのかについてサッシ屋の立場から解説させて頂きました。参考にして頂ければ幸いです。