強化ガラスの弱点は小口部分だけではない!ガラス交換現場から考える、強化ガラスの弱点とは?!
強化ガラスの弱点を調べて行くと、小口(こぐち)と言われる部分が弱点で、要は、ガラスの角に強い衝撃を受けると強化ガラスが粉々に砕ける。この様な説明がされています。ガラスの面の部分が非常に強くても、角の部分が弱点という事です。
また、強化ガラスの面の部分もある条件下では粉々に割れる事があります。それは先端の尖った物が強化ガラスの面に当たるケースです。例えば傘の尖った先端部分などです。台風や強風でこの様な物が勢いよく強化ガラスに刺さって来ると粉々に割れる可能性が高いと言えます。
そして、今回はこの様な物理的な事以外に「あ~強化ガラスってこういう弱点があるような~」と実務で強化ガラスに触れるガラス屋視点の弱点を考えて行きたいと思います。
それでは、いきましょう。
強化ガラスはすぐに取替できない
まず、一番の弱点は例え強化ガラスが割れたとしてもすぐに同じ強化ガラスに取替が出来ないと言う点です。
強化ガラスは言わば受注生産での納品になりますので、一度現調をしてサイズや厚みを確認した後に強化ガラスの製作に入ります。数日後商品が出来上がり、新しい強化ガラスと取替を行う流れです。
もしも、外に面している部分の強化ガラスだった場合はどうでしょう。強化ガラスの割れ方は、一面がひび割れ状態となり、少し触るだけでもバラバラと崩れ落ちてしまいます。
実務でガラス修理を行っていると、同じ強化ガラスに当日取替が出来ないからと言って、強化ガラスが割れている状態をそのままにして帰る訳にはいきません。仮養生を行い、新しい強化ガラスを作製するまでの期間、やり過ごす事になります。
仮養生の方法
仮養生の方法は主に2つ。
1つ目は、そこまで崩壊が起こっていない状態です。この状態であれば、室内側、室外側の両方からべニア板を当てて養生テープで貼り付けます。応急的な養生となりますが強化ガラスが崩れ落ちるのを防ぐ事が出来ます。
2つ目は、防犯上しっかりと養生をしないといけない場所、または既にガラスが崩壊している状態。この様な状況であれば、ひび割れている強化ガラスを全て取り除き、ガラス面に何も入っていない状況にします。その上で、コンパネをサッシにいれるか、強化ガラスの代わりに通常の板ガラスを取付けましす。
(実際にコンパネで仮養生を行った現場です→大野城市の学校の強化ガラス修理は仮工事でコンパネ施工。)
この様に、強化ガラスがすぐに取替出来ないので、それだけプラスで手間=コストが発生してしまいます。
この点は実務を行う業者からすると、強化ガラスの弱点と言えます。
強化ガラスは現場でカットできない
もう1つの弱点は、現場で調整出来ない事です。
これはペアガラスや一部の加工ガラスにも言えますので、強化ガラスだけに限った話ではありませんが、例えば新人のスタッフが現場で現調を行い採寸、製作依頼をかけたとします。
実際に出来上がってきた強化ガラスを納品(取付)する時にほんの数ミリ違っただけでも取付する事が出来ない事があります。もちろんプロなので採寸ミスをする方が悪い事はその通りなのですが、通常の単板ガラスなのであれば現場でカットするなり方法がある一方、強化ガラスなどのガラスでは現場調整が出来ないので扱いづらいという事は間違いありません。
まとめ
本日は、強化ガラスの弱点について実務レベルで考える弱点として記事にしました。
この事を強く思ったのが、お客様とのやり取りの中です。こちらは施設のお客様だったのですが、出入り設備業者の方の道具が強化ガラスに当たって割れてしまったとの事です。防犯ブザーを取付けようとサッシを色々扱っていた最中に勢い余ってドライバーで窓ガラス(強化ガラス)を突き刺して割ってしまったと仰ってました。
ご訪問した時は強化ガラス特有の窓一面にヒビが入っている状況で、こちらの施設長に「強化ガラスはオーダーメイドなので、一旦仮施工して後日製作した強化ガラスとの取替になります」をご説明すると
「せっかく強化ガラスを設置しても、ガラスは簡単に割れるし、仮施工の費用も掛かるし、ガラスも直ぐに交換出来ない。。。弱点ばっかりね!」と肩を落とされていましたが、なるほどお客様によっては、物理的な弱点以外もデメリットとして感じるんだな~と感じた次第です。
最後に「でもま~費用は出入り業者の負担なんで、ま~仕方ないか。笑」とも仰ってました。